式辞

2024.10.17

 

 本校は、昭和39年(1964年)9月12日「琉球政府立浦添高等学校」として設置認可され、翌昭和40年4月7日に普通科と家政科624人を第一期生に迎え、開校式及び入学式を執り行い、その一歩を踏み出しました。

 本校設立にあたっては、設置期成会をはじめ地域の強い要望とともに高校生急増に伴うものであったと伺っております。爾来、歴代校長や数えきれないほどの教職員が生徒たちを指導し、施設・設備、その他の条件整備によって学校環境を整え、60年の歳月を重ねながら地域社会の発展に寄与してまいりました。この間の卒業生は26,536人を数え、県内外でめざましい活躍をしておりますことは周知の通りであります。

 また、平成6年には制服の改定、平成9年には本校創立以来設置されてきた家政科が閉科されるなど、時代の目まぐるしい変化にも対応して参りました。

 現在1,062名の生徒が教科学習をはじめ、文化・スポーツその他の活動にも励んでおります。空手部やテニス部はこれまでに全国制覇を成し遂げ、正門から本館へ上がる坂道には、9基の全国制覇記念碑が設置されています。また60年の歴史を振り返れば、吹奏楽や弁論をはじめ、野球、サッカー、弓道、バレーボール、ここ数年は空手、ハンドボール、ダンス等も全国大会や九州大会で輝かしい賞を獲得するなど常に高い評価を得ております。学習面では平成6年に設置した応用クラスは国公立大学をはじめとする大学進学者数の増加に寄与するなど、本校が校是とする文武両道の精神を体現して参りました。

 更に、本校には学校行事の際に異学年で組織された5つの「団」でその成果を競い合うことで、協力することや目標に向かって努力することの大切さを学び、ひとり一人が自分の適性を見極め、個性を十分に伸ばすとともに他者を尊重するなど、校訓の「自主・勤勉・協調」を具現化する取り組みも行っております。平成15年度からはこれまで3年に1度行っていた体育祭、文化祭の2大学校行事を毎年行う取組みも始め「筋肉祭」「キラ星祭」として浦添高校を広く印象付ける取り組みとなっており、新しい伝統となりつつあります。

 令和6年度・7年度は沖縄県教育委員会の指定を受け、国際理解教育を推進し、海外の国と文化・芸術・スポーツ等の交流を通し世界で活躍する人材の育成も視野に入れて取り組んでおります。この新たな取り組みは浦添高校の未来へ更なる飛躍を期待させるものです。

 今後も浦添高校は、時代の変化に対応しつつ、未来を担う生徒達にとって最良の環境を提供し続けることをお約束するとともに、これからも地域社会とともに歩み、共に成長していけるよう努めてまいります。

 人生100年時代を生きる生徒の皆さんには、この先、人工知能の台頭や一部地域の戦争による市場の変革など、大きな時代の変化の中を生き抜かなければなりません。そのためにも、本校60年の歴史に学び、先輩の築いた伝統を守り、ひとり一人が人生の目標を高く掲げ、目標達成のために努力を続けることが大切です。

 母校浦添高校は、ここ浦添市内間の大嶺原に立ち、その姿を変えようとも皆さんの将来を見守ってくれます。本校で学んだことの誇りを忘れずに、後輩たちが誇りを持てるよう立派な社会人として、世の中に貢献するよう切望します。

 この高台に建つ浦添高校はここで3年間を過ごした卒業生をはじめ本校に奉仕した多くの職員・関係者の心の拠り所でもあります。私は、本校の将来にわたる更なる発展を願ってやみません。

 最後になりましたが、創立60周年記念事業期成会をはじめ関係各位には、ひとかたならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。また、本校発展の趣旨に賛同し当事業にご賛同いただ
いた多くの方々からご支援を頂戴いたしました。ここに深く感謝の意を表しますとともに。今後とも進化し発展する浦添高校の教育にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

校 長 城間 敏生


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